主な原因を知ろう
iPhoneの音が突然出なくなると、不安になってしまうものです。しかし、原因の多くは設定や接続の見落とし、一時的な不具合など、少しの確認で解決できる内容です。このセクションでは、まず考えられる代表的な原因を整理してご紹介します。
サイレントモードや集中モードが原因に
iPhone本体の側面にある「着信/サイレントスイッチ」がオフになっていると、通知音や着信音がすべてミュートになります。スイッチを確認し、オレンジ色のラインが見えていたらサイレントモード中ですので、カチッと切り替えてみましょう。
また、コントロールセンターから有効にできる「集中モード」や「おやすみモード」がオンになっていると、通知音や一部のアプリの音も制限されることがあります。コントロールセンターを開き、月のアイコンや「集中モード」が有効になっていないか確認しておくと安心です。
音量設定やBluetoothの出力先の影響
音が出ないとき、まず確認したいのが音量設定です。物理ボタンで調整しても音が出ない場合は、設定アプリ内の「サウンドと触覚」から音量スライダーを調整してみましょう。アプリによっては個別に音量設定があることもあるため、そちらも併せて見直してみてください。
さらに、Bluetooth機器に自動的に接続されていて、そちらに音声が送られているケースもよく見られます。イヤホンやスピーカーが近くにあるときは、一度Bluetoothをオフにして、出力先が本体スピーカーに戻るかどうか確認するとよいでしょう。
一時的な不具合・OSの影響
iPhoneはソフトウェアの不具合やメモリ不足により、一時的に音が出なくなることがあります。アプリの動作が不安定だったり、タッチ操作の反応が鈍かったりする場合は、端末を再起動することで改善されることも少なくありません。
また、長期間iOSのアップデートを行っていないと、不具合が解消されないままになっている可能性も考えられます。設定アプリから「一般」→「ソフトウェア・アップデート」の順に進み、最新版があれば適用してみましょう。こうした手順で、予期せぬ音の不具合が解消されるケースもあります。
自分でできる対処法
前のセクションで紹介した原因を踏まえ、ここでは具体的に試すことができる対処法をまとめました。iPhoneの設定を見直すだけで改善することも多いため、順を追ってチェックしてみましょう。通話中や動画再生中など、場面別の対応策もあわせて解説します。
音量とスピーカー設定をチェック
まず確認すべきは、音量設定とスピーカーの出力状態です。音量ボタンを押しても音が出ない場合は、「設定」アプリの「サウンドと触覚」を開き、着信音と通知音のスライダーを動かしてみましょう。スライダーを動かした際に音が鳴らなければ、スピーカーに問題がある可能性もあります。
また、Bluetoothがオンになっていると、近くのイヤホンやスピーカーに音が送られていることがあります。一時的にBluetoothをオフにして、iPhone本体から音が出るか確認してみてください。さらに、コントロールセンターでAirPlayの出力先が本体スピーカーに設定されているかどうかも、あわせて確認しておきましょう。
端末の再起動とアップデート
iPhoneの動作に不具合が出ているときは、端末を再起動するだけでも改善されることがあります。再起動の手順は機種によって異なりますが、一般的には音量ボタンとサイドボタンの同時長押しで行います。詳細な操作が不安な場合は、Apple公式の案内を確認するとよいでしょう。
あわせて、iOSのバージョンが古いままだと不具合が起きやすくなるため、アップデートの確認も忘れずに行いましょう。「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」の順で進み、更新があれば早めに適用しておくと不具合予防にもつながります。
接続デバイス・ケース・カバーの確認
保護ケースや画面カバーがスピーカー部分を覆っている場合、音がこもったり、聞こえにくくなったりすることがあります。最近ケースを交換した場合は、念のため取り外して状態を確認してみましょう。
また、Lightningコネクタやスピーカー部分にホコリやゴミが詰まっていると、音の出力に影響することがあります。柔らかいブラシや乾いた綿棒などで優しく掃除すると効果的です。ただし、無理に奥まで押し込まないように注意してください。
通話・動画・アプリ別に音が出ないときの対処法
音が出ないタイミングによって、確認すべき内容は変わってきます。たとえば通話中に相手の声が聞こえない場合、まずは通話画面でスピーカーボタンがオフになっていないか確認しましょう。また、設定アプリの「アクセシビリティ」から「タッチ」を選び、「通話オーディオルーティング」が適切な出力先になっているかもチェックしておくと安心です。
次に、動画や音楽を再生しても無音のままというケースでは、アプリ内の音量設定やミュート状態が原因になっていることがあります。たとえばYouTubeや音楽アプリなどでは、アプリ自体の再起動を行う、または一度ログアウトしてから再度ログインすることで改善する場合もあります。
さらに、特定のアプリだけ音が出ないと感じるときは、iPhone本体の設定でアプリごとの通知やサウンド設定がオフになっていないかを確認してみてください。設定アプリから対象のアプリを選択し、通知や音声に関する項目が無効になっていないかを見直すことが大切です。
それでも音が出ない場合は、一度アプリを削除して再インストールすることで正常に戻ることもあります。
ハードウェアが原因かも?と思ったら
設定や操作をすべて確認しても直らない場合は、本体自体に原因がある可能性も考えられます。このセクションでは、スピーカーの劣化や水濡れ、イヤホンモードの誤作動といった物理的なトラブルの兆候と、確認のポイントについて解説します。
スピーカーの劣化・水濡れの影響
長期間の使用によって、スピーカーが少しずつ劣化して音が出にくくなることがあります。また、水回りでの使用や突然の雨などにより、知らないうちに水が内部に入り込んでしまうケースも少なくありません。
iPhoneの内部には「水没インジケーター」と呼ばれるシールが貼られており、水に触れると赤く変色します。SIMカードトレイを取り出すとその表示が見える機種もありますので、不安な場合は確認してみるとよいでしょう。
もし水濡れの可能性がある場合は、電源を入れたままにせず、できるだけ早めに修理の相談をすることをおすすめします。
イヤホンモードの誤作動
まれに、イヤホンや外部機器を使っていないのに「イヤホンモード」が解除されず、本体のスピーカーから音が出なくなることがあります。これは、Lightning端子やイヤホンジャックの接触不良や内部の異常が原因で、iPhoneが常にイヤホンが接続されていると誤認してしまう状態です。
このような場合は、一度Bluetooth接続や有線イヤホンを改めて接続し直したあと、正常に解除されるか試してみてください。それでも症状が変わらない場合は、端子内部のクリーニングや修理が必要になる可能性があります。
修理やサポートを検討する前に
自分でできる対処をすべて試しても改善しない場合は、Appleサポートや修理業者への相談も選択肢のひとつです。ただし、その前に確認しておきたいことや準備しておくべきことがあります。このセクションでは、修理を依頼する前の大切なチェックポイントを紹介します。
保証や修理費用のチェック
まず確認しておきたいのが、iPhoneの保証状況です。AppleCare+に加入している場合や、購入から1年以内であれば無償修理の対象になることもあります。Appleの公式サイトでシリアル番号を入力すれば、保証の有無をすぐに確認できます。
また、キャリア経由で購入した端末には、独自の保証サービスが付帯していることもあります。補償内容によっては、正規店以外で修理を行うと対象外になる場合もあるため、あらかじめ内容を把握しておくことが重要です。
さらに、バッテリー交換やスピーカー修理には費用が発生するケースもあるため、見積もりや料金体系を事前にチェックしておくと安心です。
データバックアップと初期化の判断
修理や交換を依頼する前に、必ずバックアップを取っておきましょう。作業の過程で端末が初期化される可能性があるため、大切な写真や連絡先、アプリデータが失われないようにするためにも、iCloudやパソコンを使って最新のバックアップを作成しておくことが大切です。
加えて、iPhoneを「探す」がオンになっていると修理時に支障が出る場合があるため、必要に応じて一時的にオフにする準備もしておきましょう。初期化が必要と判断された場合には、事前に十分なバックアップと復元の手順を確認し、スムーズな再設定ができるようにしておくと安心です。
まとめ
iPhoneの音が出ないトラブルは、意外と身近な設定や操作ミスが原因であることが少なくありません。落ち着いて順番に確認すれば、ほとんどのケースは自分で解決可能です。もし改善が見られない場合は、早めに専門のサポートを活用することをおすすめします。
一つひとつ確認しても解決しない場合は、Appleのサポートや専門店に早めに相談してみてください。